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福島で大地震が起きる可能性…!? [原発]

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http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2858318/8475783
福島第1原発近くで大地震の恐れ、東北大教授らが警告
2012年02月16日 11:32 発信地:パリ/フランス

福島第一原発.jpg
無人機で上空から撮影した東京電力(TEPCO)の福島第1原子力発電所(2011年3月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/AIR PHOTO SERVICE

【2月16日 AFP】東日本大震災以降、東京電力(TEPCO)の福島第1原子力発電所付近の地層において、大地震が発生しやすい状態となっていると指摘する東北大学(Tohoku University)の教授らによる研究論文が14日、欧州地球科学連合(European Geosciences Union、EGU)の学術誌『Solid Earth』で発表された。

 趙大鵬(Zhao Dapeng)教授(地震学)ら日中の研究者3人が共同執筆した論文は、将来起こりうる大規模地震に備え、福島第1原発での安全強化策をとるよう訴えている。

 趙教授らは、地震波断層撮影と呼ばれる技術を用い、東北地方の地殻やマントルに地震波が及ぼす影響を調べた。この技術は、医療用のCTスキャンと同様の原理で地層を調べ、地震波の種類やセンサー間を伝わる速度から地中の断面図を構築する。 

 研究チームは、前年4月11日に福島第1原発から南西60キロの距離にある、いわき市で起きた地下6.4キロを震源とするマグニチュード(M)7.0の地震に着目した。この地震は東日本大震災の余震としては最大規模のもの。

 調査の結果、いわき市の低活動性活断層が、この地震の揺れで活性化した可能性があることが分かった。同地域では前年3月11日から10月27日までに、M1.5以上の揺れが2万4108回観測されたが、2002年6月3日から前年3月11日までの期間に同規模の揺れは、わずか1215回しか観測されていない。

 趙教授は、その要因を太平洋プレートにあるとみている。太平洋プレートが、ほぼ東北全域の地下に横たわるオホーツク(Okhotsk)プレートの下に沈み込む際、発生する摩擦熱で水が上昇し、活断層周辺が滑りやすい状態となっているとした。さらに東日本大震災後、いわき市の断層がオホーツクプレートから受ける圧力の方向が大きく変わったという。

 趙教授は記者会見で、福島原発周辺にも複数の活断層があり、いわき市や福島原発地域でも地層構造の変化が起きている可能性があると指摘。いわき市で発生した直近の強い地震を考慮すると、福島でも大地震が起こる可能性があると警告した。ただ地震発生の時期までは予測できないという。(c)AFP/Kate Millar
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脱原発、代替供給がカギとは思うが…!? [原発]

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81G00320120217
インタビュー:脱原発は代替供給がカギ=菅前首相
2012年 02月 17日 21:26 JST[東京 17日 ロイター]

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 2月17日、菅直人前首相は、ロイターのインタビューに応じ、昨年3月11日の東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故を契機に、首相在任中に打ち出した「原発に頼らない社会」を実現するには、「原発がなくても必要なエネルギーを供給できることがカギ」だと強調した。都内で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

 そのためにも「再生可能エネルギーを増やすには改革が必要で、改革のあり方の例としては発送電分離が一つの案として有力」と指摘した。

 前首相はまた、国による東電への公的資本注入と、国がどの程度の議決権を握るかが焦点となっていることについて、「そうした質問には答えないが、いまの内閣は頑張っている。この問題は現内閣がしっかり判断してくれると思う」と語った。インタビューでの主なやり取りは以下の通り。

──退任から約半年。最近の活動は。ダボス会議(世界経済フォーラム年次会議)に出席したが。

 「原発に頼らないでも、経済も生活も含めてしっかりやっていける日本や世界を目指して活動しようと思い、退任後の5カ月余り、そこにエネルギーを集中している。ダボスでは、核兵器では核拡散防止条約という形で究極的には核兵器をなくしたいという国際的なルールがあるが、原発については必ずしもそうしたルールがない。しかし、事故や高濃度の廃棄物の問題は各国に任せていいことではない。国際的なルール作りやIAEA(国際原子力機関)など議論して方向性を出していこうという問題提起するためにいろいろな方と会い話した」

──脱原発を打ち出した理由は。

 「3.11以前は、私自身、原発の安全性をしっかりと確認したうえで活用していく。特にCo2(二酸化炭素)削減という問題が重視された中で、3.11前は化石燃料を使わないエネルギーとしての原発にシフトしたほうが温暖化問題に対応できるという側面もあって、国の政策としても原子力依存を強めることになっていたし、私もそういう立場だった」

 「しかし、3.11の原発事故を経験する中で考え方を変えた。最大の理由は、場合によっては首都圏を含む地域から人が住めない、避難しなければならないことになりかねない状況に拡大した時には、国の存在が危うくなる。大きなリスク、危険性に対してどう原発の安全性を確保できるのか。いろいろな技術はあるが、それだけ大きなリスクをカバーできない。一番安全なのは原発に頼らないでもいい社会を作る。それは可能だ。そう考えた」

──いつまでに原発ゼロにできるか。

 「原発がなくても必要なエネルギーが供給できるというのが大きなポイント。原発が非常に危ないのでエネルギーが多少足りなくても仕方がないという人もいるが、国民全体ではエネルギーが足らなくてもいいという判断は多くの人はしていない。原発がなくても必要なエネルギーが供給できる、その態勢を作ることに私は一番力を入れている」

 「残念ながら日本では再生可能エネルギー源は水力を除くと電力の中で1%。ドイツはすでに20パーセントで、(日本では)これまでは非常に抑えられてきた。だから急激に増やしていく必要がある。そのために日本版フィード・イン・タリフ(FIT=再生可能エネルギー全量買い取り制度)の法律を作った。そうしたことが順調にいけば、例えばドイツは2050年までに8割のエネルギーを再生可能エネルギーで賄うと言っているが、それに追いつくような方向も全力を挙げれば可能だと思っている」

──原発が要らないという時期までに、(原発は)国有化など何らかの形で国家の仕組みが必要だという見方は。

 「例えば、北海道の北のほうは風力が非常にいいが、そこに風力発電機を付けても送電線がない。北海道電力(9509.T: 株価, ニュース, レポート)に送電線を作るように要望しても北電にとってはすでに電力はあるから送電線を(新たに)引くメリットはない。しかし、日本全体には必要な仕事。そうすると、送電をそれぞれの電力会社の自主判断に任せるのか、国全体として判断としてやるべきか。まずは欧州のほとんどの国のように発電と送電を分けるなど、再生可能エネルギーを増やすためにどういう制度改革が必要なのか、電力会社のあり方については全体の議論が必要」

──発送電分離が必要だという考えか。

 「諸外国の例をみるとソーラーや風力のような小規模の発電を増やすためには、巨大な原発や火力発電を持っている電力会社が送電も独占的に持っている状況の改革が必要だ。改革の例として発送電分離は一つの案としては有力だと思っている」

 「日本も潜在的にはこの分野についてものすごく高い能力がある。これらの分野はイノベーションのチャンスの塊だ。(従来)それらを抑え込んできた。(いまは)その蓋が取れた状況で、これを開けて積極的にイノベーションを進めていく。そういう点では私は楽観的だ。十分、日本はドイツに負けないテンポで原発や化石燃料以外のエネルギー供給を増やしていく一方で、住宅やオフィスで省エネを徹底的に進める。そういう意味で、脱原発社会を作ることが、日本の(成長)モデルになることは十分に可能だと思っている」

 「潜在能力をしっかり生かすかどうかが今年(がカギ)だと思う。(7月開始の)FITの条件が決まり買取が可能だということがわかれば、関係企業はいろいろなことを考えている。例えば三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)は大きな風力(発電機)をイギリスやアメリカに売っているが、今度、福島沖に浮体式の風力発電7000キロワットの風車を140基ぐらい並べようと計画している。これだけの規模ができれば世界で最も進んだものになる。日本の周りに浅い海は少ないが、多少深い海でよければ(浮体式の)適所はたくさんある」

──国が東電に公的資本注入を行い、議決権の3分の2以上を握ることが議論されている。

 「そういう質問には答えない。私が申し上げたいのはいまの内閣は頑張っているということ。私は、再生可能エネルギーを増やして原発がなくても済むような社会にしていこうということに力を注いでいる。それと矛盾するようなことがあれば、いろいろ言わないといけないが、いまの内閣は基本的に(前首相と)同じ方向を目指していると思う。この問題は現内閣がしっかり判断してくれると思う」

(インタビュアー リンダ・シーグ 浜田健太郎 久保田洋子 石黒里絵)
(ロイターニュース、浜田健太郎)
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国内原発、54基がすべて停止したら!? [原発]

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http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120218k0000m040035000c.html

関西電力原発:高浜3号機定期検査で全11基運転停止

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高浜原発3号機(手前)=福井県高浜町で、本社機から竹内紀臣撮影

 関西電力は17日、稼働中の高浜原子力発電所3号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)が20日に定期検査入りし、保有する原発全11基(総出力977万キロワット)が運転停止すると発表した。東京電力がトラブル隠しで03年に全17基停止して以来の規模。関電は原発依存度が国内の電力会社で最も高く、原発の再稼働の見通しは立っていないものの、今冬の大規模停電などは避けられる見通し。関電は原発以外の電力を確保し、安定供給を図る。

 関電は20日午後11時ごろ、高浜原発3号機の発電を止め、21日未明に原子炉を停止する予定。原発全停止後は、火力発電所28基(同1450.7万キロワット)のフル稼働や他の電力会社などからの買電を増やすことで、供給力は2600万キロワット前後を確保する。企業や家庭による節電に一定の効果があり、この先は寒さが緩み、暖房などの電力需要が低下するため、3月末までの予想最大需要2559万キロワットを満たす見通し。

 関電の原発全停止は93年に11基体制になって以降初めて。米スリーマイル島原発事故が発生した79年、安全対策などのため4日間全停止(当時は6基体制)したが、発電量実績に占める原発の比率は約24%で、電力需給に影響はなかった。

 10年度の原発比率は51%にのぼる。ただ、関電は今冬、昨冬比10%以上の節電を要請。この間、大半の原発が停止したものの、電力供給力は需要に対し10%以上余力がある日がほとんどだった。

 関電は原発再稼働に向け、大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)を実施し、経済産業省原子力安全・保安院は「妥当」と判断を示した。しかし、再稼働に必要な地元自治体の同意や首相らによる政治判断の見通しは立っていない。

 東電福島第1原発事故後、全国の商業用原子炉54基のほとんどは停止している。福井県内の関電以外の3基は既に停止しており、全14基が停止する。高浜原発3号機以外で稼働中の東電柏崎刈羽原発6号機(新潟県柏崎市、出力135.6万キロワット)、北海道電力泊原発3号機(北海道泊村、同91.2万キロワット)も4月末までに定期検査入りすると、国内の原発すべてが停止することになる。【横山三加子】

毎日新聞 2012年2月17日 19時46分(最終更新 2月17日 20時30分)
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「センチメント」とは…!? [原発]

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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120210-OYT1T01124.htm
原発住民投票の動き、石原知事「センチメント」

 東京都で原子力発電所稼働の是非を問う住民投票を目指す市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」の集めている署名が、都条例制定の直接請求に必要な法定数を上回る見通しになったことについて、石原慎太郎知事は10日の定例記者会見で「そんな条例を作れるわけもないし、作るつもりもない」と否定的な見解を示した。

 石原知事は「人間で一番やっかいなのはセンチメントだ。原爆のトラウマがあるから恐怖感で(原発反対を)言う」と反原発運動を批判、そのうえで「人間の進歩は自分の手で技術を開発し、挫折や失敗を克服することで今日まで来た」と述べた。

 市民グループから住民投票条例制定の直接請求が出された場合、石原知事は意見を添えて都議会に条例案を提出する。都議会で条例案を審議し可否を判断する。

(2012年2月10日21時18分  読売新聞)
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原発事故、最悪の事態がありえた…!? [原発]

官邸から見た原発事故の真実 これから始まる真の危機 (光文社新書)

官邸から見た原発事故の真実 これから始まる真の危機 (光文社新書)

  • 作者: 田坂広志
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/01/17
  • メディア: 新書


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http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120207/226949/

「原発事故の最悪シナリオが避けられたのは“幸運”に恵まれたからです」
今、戒めるべきは「根拠の無い楽観的空気」
田坂 広志(たさか・ひろし)
――多摩大学大学院教授。1974年東京大学工学部原子力工学科卒業、1981年同大学院修了。工学博士。1981年から90年にかけ、民間企業にて青森県六ヶ所村の核燃料サイクル施設の安全審査プロジェクトに従事し、米国のパシフィックノースウエスト国立研究所で高レベル放射性廃棄物の最終処分プロジェクトに参画する。3月11日の福島原発事故に伴い、内閣官房参与に任命され、原発事故への対策、原子力行政の改革、原子力政策の転換に取り組む。著書多数。近著に『官邸から見た原発事故の真実』――
2012年2月8日(水)

 筆者は、東京電力福島第1原発事故を受け、内閣官房参与として2011年3月29日から9月2日まで、官邸において事故対策に取り組んだ。そこで、原発事故の想像を超えた深刻さと原子力行政の無力とも呼ぶべき現実を目の当たりにし、真の原発危機はこれから始まるとの思いを強くする。これから我が国がいかなる危機に直面するか、その危機に対して政府はどう処するべきか、この連載では田坂氏がインタビューに答える形で読者の疑問に答えていく。

―― 田坂さんは、今年1月17日に上梓された『官邸から見た原発事故の真実』(光文社新書)において、福島原発事故は、「最悪の場合には、首都圏三千万人が避難を余儀なくされる可能性があった」と述べられていますね。これは、最悪の場合を想定したシミュレーション計算をご覧になったからと述べられていますが、それは、昨年末に原子力委員会が発表した昨年3月25日付のシミュレーション計算でしょうか?

田坂:同様のシミュレーション計算の結果を、私も、昨年3月末に見ています。

 この原子力委員会のシミュレーション計算の結果は、「福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描」というメモとして、すでに公表されていますので、多くの方がご覧になっていると思いますが、このメモは、この福島原発事故が最悪の事態に進展した場合、「強制移転をもとめるべき地域が170km以遠にも生じる可能性」や「年間線量が自然放射線レベルを大幅に超えることをもって移転を希望する場合認めるべき地域が250km以遠にも発生することになる可能性」があったことを明らかにしています。

首都圏三千万人避難の可能性もあった

 メモの中では、「首都圏三千万人の避難」という言葉は直接には使われていませんが、「170km以遠」「250km以遠」ということは、端的に言えば「首都圏三千万人の避難」にも結びつく可能性があったということを示しています。

―― その深刻な「最悪の事態」は、直ちに起こる可能性があったのでしょうか?

田坂:いえ、その「最悪の事態」は、あの時点においても、直ちに起こる可能性はありませんでした。原子力委員会のメモにも書かれているように、「最悪シナリオ」とは、次のようなものです。

 まず、1号機の格納容器や圧力容器で水素爆発が起こり、容器外への大量の放射能の放出が生じる。これに伴ってサイト内の被曝線量が急激に増大し、作業員はサイトからの退避を余儀なくされる。その結果、すべての原子炉と使用済み燃料プールの注水と冷却が困難になり、時間の経過とともに、原子炉と燃料プールがドライアウトを始め、まず、4号機プールに保管してある使用済み燃料が溶融崩壊を起こし、コンクリートとの相互作用により、大量の放射能の環境への放出が始まる。そして、それに続いて、他の原子炉や燃料プール内の燃料も溶融崩壊を始め、さらに大量の放射能の環境への放出が起こる。

 これが、「最悪シナリオ」と想定されたものです。

 従って、このシナリオが起こるためには、「水素爆発が起こる」「サイト内放射線量が急激に増大する」「作業員が退避を余儀なくされる」「原子炉と燃料プールの注水と冷却が不可能になる」「原子炉と燃料プールの核燃料の溶融崩壊が起こる」といった事象が連鎖的に生起することが前提となるわけです。

 そして、原子力委員会のメモによれば、この「最悪シナリオ」が起こっても、最も早く放射能の放出が始まる4号機の燃料プールでも、最初の放射能の放出が始まるのが「6日後」であり、本格的な放出が始まるのが「14日後」という試算結果となっています。

 従って、この「最悪シナリオ」は、「直ちに」起こるものではありません。

 もし、深刻な水素爆発が起こっても、「最悪シナリオ」に向かって、最低でも1週間近くの時間的余裕は存在する状況でした。

―― お話を伺うと、それは、かなり「最悪」の事態を想定したシナリオかと思いますが、田坂さんは、なぜ、そのシナリオが起こり得ると、懸念をされたのでしょうか?

田坂:まだ、あの時点では、「何が起こってもおかしくない状況」だったからです。

 例えば、この「最悪シナリオ」の引き金を引くのは「新たな水素爆発」ですが、これは、いつ、どこで起こってもおかしくない状況でした。そもそも、炉内に燃料の存在しない4号機の建屋でも水素爆発が起こったわけですが、現場では、どうしてそこで水素爆発が起こったかが分からなかった。隣の3号機からつながっている配管から水素が漏れてきたのではないかなど、様々な推測をしましたが、あたかもミステリーのように、現在もその正確な原因は分かっていないのです。

 すなわち、我々は、あの時点において、事故の状況を正確に把握できておらず、「何が起こっているかが分からない状況」だったのです。そして、「何が起こっているかが分からない状況」というのは、「何が起こってもおかしくない状況」を意味していたわけです。

 実は、この「何が起こっているかが分からない状況」というのは、現在も同じです。先日、ようやく炉内にファイバースコープを挿入して水位の確認ができましたが、予想に反して、水位が大幅に低下していたわけです。「事故の収束宣言」がなされた現時点においても、事故の状況が正確に把握できていないという問題は、全く変わっていないのです。

もう一つの最悪シナリオ

―― 田坂さんが懸念された「最悪シナリオ」は、「水素爆発」だけだったのでしょうか?

田坂:いや、もう一つ懸念した「最悪シナリオ」がありました。

 原子力委員会のメモでは語られていませんが、もう一つの「最悪シナリオ」は、大規模な地震と津波が再び原発サイトを襲い、4号機燃料プールの構造体が崩壊し、冷却水の喪失が起こり、プール内燃料のドライアウトと溶融崩壊が起こることでした。

 これも、3月11日以降、日本列島全体が「地震列島」の様相を呈しており、各地で余震が頻発していましたので、起こってもおかしくない出来事でした。

 特に、あの当時は、原子炉と燃料プールの安定冷却機能が全く回復していない状況でもあり、もし、「新たな水素爆発」や「再度の地震と津波」が起こった場合には、事態は、「最悪シナリオ」に向かって進展していく可能性があったのです。

―― しかし、幸いなことに、今回の事故では、新たな水素爆発も、再度の地震や津波も起こらず、安定冷却に漕ぎ着けることができた。それで、田坂さんは、この事故が収束に向かったのは「幸運だった」と言われるのですね?

田坂:そうです。もちろん、事故が収束に向かったのは、何よりも、福島原発の現場で、冷却システムの設置やプールの構造体の補強など、様々な作業に携わった方々の献身的な努力のお陰ですが、その努力が水泡に帰する最悪の出来事が起こらなかったという意味では、やはり、「幸運だった」と言わざるを得ないのです。

いま広がる「根拠のない楽観的空気」

 そして、私が、敢えて、この「幸運だった」ということを申し上げるのは、いま政界、財界、官界のリーダーの方々の中に、「根拠の無い楽観的空気」が広がっているからです。残念ながら、これらのリーダーの方々の中には、今回の事故の深刻さを直視することなく、また、事故原因の徹底的な究明をすることなく、「もう福島原発事故は収束した」「もう同じ事故を起こすことはない」という楽観的意見を語る方がいます。

 実は、そうした「根拠の無い楽観的空気」こそが、今回の福島原発事故を起こした遠因であることを、我々は、肝に銘じるべきでしょう。

 実際、3月11日以前に、「想定よりも高い津波が来る可能性がある」「全電源が喪失する可能性がある」との指摘はあったわけですが、それらの指摘に対しても、「そうした極端な出来事は起こらないだろう」という楽観的空気が、事前の対策を怠らせたわけです。このことの真摯な反省が無ければ、我が国は、また、同じ過ちを繰り返すことになると思います。

―― この「幸運だった」という現実は、リスク・マネジメントの観点から見ると、どのような意味を持つのでしょうか?

田坂:「幸運だった」ということは、リスク・マネジメントが有効に機能していないことを意味しています。なぜなら、リスク・マネジメントにおいては、そもそも、二つのことが極めて重要だからです。

 一つは、「起こった危機の原因、経緯、現状が、明確に把握できていること」。

 もう一つは、「起こった危機への対処、管理、制御が、明確にできること」。

 もとより、真のリスク・マネジメントとは、未然の対策によって危機を発生させないことですが、もし、不幸にして危機が発生してしまった場合にも、この二つのことができていれば、リスク・マネジメントは、それなりに有効に機能します。すべてが「人知の及ぶ範囲」にあるからです。

 しかし、残念ながら、福島原発事故は、この二つとも極めて不十分な状況でのリスク・マネジメントになってしまったのです。すなわち、それは、「人知の及ぶ範囲を超えた状況」になってしまったということであり、事態の推移を、文字通り「運」に任さざるを得ない状況になってしまったということなのです。

 ある意味で、リスク・マネジメントの専門家から見た福島原発事故の問題の深刻さは、事故が起こったことだけでなく、事故の原因、経緯、現状が明確に分からないこと、事故への対処、管理、制御が十分にできないことだったのです。

(中略)

 そもそも、原子力の問題を語るとき、多くの識者は、「安全」と「安心」が重要であると言われますが、実は、「安全」と「安心」よりも重要なものがあるのです。

「安全」「安心」よりも重要な「信頼」

 それが、「信頼」です。

 なぜなら、どれほど政府が「安全です」「安心してください」と国民に語っても、その政府自身が国民から「信頼」されていなければ、そのメッセージは意味を失うからです。

 そして、残念なことに、「絶対に大規模な事故は起こしません」と語り続けた原子力発電所が、あの深刻な事故を起こしたことによって、国民から政府と原子力行政に対する「信頼」は、決定的に失われてしまったのです。政府と原子力行政は、まず何よりも、その事実を直視し、深く理解するべきでしょう。

―― では、どうすれば、政府と原子力行政は、その「失われた信頼」を回復することができるのでしょうか?

田坂:その質問には、いくつかの視点からお答えする必要があるのですが、第一に重要なことは、「リスク・コミュニケーション」です。すなわち、こうした深刻な危機が発生したとき、政府は国民に対して、いかなる形でコミュニケーションをするか、そのときに大切にすべきものは何か、ということです。

 次回、そのことを語りましょう。
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